クラウド型電子カルテの導入が、クリニックのオペレーションを最適化する

クラウド型電子カルテ「CLIUS（クリアス）」を導入した理由は、開業にあたってオペレーションを改善する必要性を感じていたからです。電子カルテ導入後はシステムの入れ替えは難しいため、数社を見て検討した結果、今後のクリニック運営スタイルの変化と一緒に歩んでもらえること、そしてコストやセキュリティ面も考え、Donuts社に決めました。

まずはコスト面に関して、オンプレの場合はサーバー設定やメンテナンス等で数百万円もの費用がかかります。しかしCLIUS（クリアス）は初期費用がそこまで高くありません。長期的な運営を考えると、1000万円ほどのコスト削減が望めるでしょう。

次にセキュリティに関して、現在、クラウドにデータを保存するほうがセキュリティ上も安全性が高いという考えが主流になってきています。独自サーバーを設置してということは過去の遺物になっており、大企業の機密情報ですら全てクラウド上に保存される時代です。当然医療データも、正しいセキュリティレベルが設定されたクラウド上であれば、クラウドに保存されて問題があるとは考えていません。

CLIUSは、クラウド日医標準レセプトとの連動をしており、あえて一体型にはしていません。これは、その方が電子カルテとレセコン、それぞれの機能をより存分に発揮できるという判断から来ているようです。

独自開発の予約システムと電子カルテ「CLIUS」が受診のプロセスを短縮化

独自開発の予約システムによって、患者様がスマホ1つで予約、受付、会計まですべてが済ませられるので、患者様の待ち時間短縮に貢献しています。さらに、オンライン予約と同時にAI問診のようなことができるので、予約情報をもとに患者様の来院前にカルテを作成し、準備しておくことができます。そして、支払いはカードや二次元コード決済にも対応しています。

当クリニックはオフィス街にあり、仕事の合間の限られた時間の中で受診したいという方も多いです。患者様としては、予約をすればその時間に診てもらえるという期待値が高まります。それが、せっかく予約したのに来院すると１時間待ちだったということは絶対に避けたい。そういった患者様への価値を提供できる、この予約システムの意義は大きいと感じています。

また、時間予約を採用しているので、予約患者様の来院のタイミングをずらすことができ、受付や会計の作業平準化につながっています。さらに、予約が入ると、事前にお名前、生年月日、症状、何科に受診したいのか、という情報まで把握できます。スタッフは、患者様が来院する前の空き時間に情報入力をしておくことで、患者様の来院時に必要な情報だけを追加するだけで済むので、受付時間の短縮につながります。そして医師は、電子カルテをれば患者様の訴えをある程度把握できるので、適切に診察を始められます。このように複数のシステムのメリットを最大限活かすことにより、患者様、スタッフ、医師にとっての効率化を実現させています。

CLIUSは、ゲームアプリ開発のノウハウを活かして、目線の動きまで考慮されたと言われているように、直感的な操作ができるUI・UXです。さらに、クリニック側の意見を反映するアップデートで、操作性やセキュリティも向上しています。

患者様と向き合う時間を増やすことで「質の高い・正しい医療」を提供したい

当クリニックでは現在、予約画面から事前に入力される問診内容をWebで確認し、受付スタッフが問診内容をコピーして貼り付けるという流れで行っています。これを近い将来、患者様が入力した問診内容を電子カルテの主訴欄・所見欄の部分に反映されるように製品を開発したいと、Donuts社と意見を交わしています。

電子カルテは間違いなくクリニックの基幹システムだと考えています。そのため、現場のオペレーションとシステムが互いに歩み寄って、クリニック全体の効率化を実現すること、これが最大の目標です。受付スタッフが効率的に患者様の情報を入力でき会計が迅速になるなど、そういった効率化はCLIUSによって実現できると思います。その結果、受付スタッフが患者様に接する時間を増やせるようになる、看護師が患者様の診療補助をする時間が増やせる、そして医師はカルテを入力する時間を短縮でき、患者様に向き合う時間をもっと増やせるようになるなど、これらの実現に向けて実践するクリニックでありたいと思います。

我々のゴールは「質の高い、正しい医療を行うこと」です。システムとは、あくまでそのゴールを実現するツールであり、効率化が実現することで単に医師やスタッフが楽をする、ということではありません。業務効率化の結果、今までよりも患者様に寄り添った診療を行い、患者様に正しい医療を行えるような環境を実現したいと考えています。