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Case6

Case6

仕事の効率化のおかげで安心につながる診療が実現
【レセコン】ORCA(日医標準レセプトソフト) など
おおたレディースクリニック

継承から使用していたORCAとの連携のしやすさを重視しIT化を進める

先代から診療所を引き継いだ際に診療所を新しく建て直したのですが、これを機にIT化を進めようと検討を始めました。

継承前は手書きでしたが、準備段階でORCAを導入し、日医標準レセプトソフトを活用していたので、IT化を進めるにあたってはORCAと電子カルテとの連携を重視しました。そうすることで、仕事の効率がさらに上がり、より多くの患者様を診察できると考えたのです。

実は、以前の勤務先で導入していた電子カルテは、産婦人科にとって必要な機能が足りず、小回りがきかなくて苦労した記憶がありました。そうした不便さを感じなくて済むように、自院に電子カルテを導入する際には、産婦人科に特化したものにするつもりで、ベンダーさんにも相談していたのです。

現在のITシステム環境ですが、ORCAにつながる産婦人科専用の電子カルテ(エフ・カルテット)を使用。同時に画像ファイリングシステム(イメージワン社)も導入し、画像の保存が楽に行えるようにしています。

また、MSC社のスキャナファイリング、検査ラベルシールの印刷機器などをORCAシステムと連携。さらに、診察カードの発行についてはORCAのデータを独自フォームで印刷しています。

その他では、胎児の心拍数を継続的に見るために胎児心拍モニターのデータを、ウェブサーバーに飛ばしています。そうすることで、インターネットに繋がる場所であれば、どこにいてもサーバー上の情報が見られるようになっているのです。

外出先でもサーバー上のデータが確認可能。緊急時でも素早く的確な指示が出せる

IT化の一番のメリットは、私が診療所にいなくても、患者様のカルテデータをスマートフォンなどで確認ができる点です。

入院患者様に急変があった場合でも、胎児の心拍数をすぐに確認できるので的確な指示を出すことができます。急患の際も、モニターからの情報を通じて状況が分かるため、素早く判断することができます。おかげで私自身、安心して出張に出掛けたり、休みをとることができています。

患者様にとってのメリットは、やはり時間短縮でしょう。パソコンですぐに電子カルテの情報が見られるため、来院いただいてから診察までの流れがスムーズに行えます。

特に産婦人科の場合は、連絡が来た時点で一刻を争う状況であることも多いのです。「陣痛が始まった」「破水した」「お腹が痛い」といった状態で電話があった時に、その場で素早く電子カルテを見て的確な指示を出すことができます。これは、患者様にとってはとても安心につながるのではないでしょうか。

職員にとっては、やはり棚からカルテを探す手間が減ることで、仕事量が減り、作業効率が上がることです。

また、システムを統一したことで、独特のややこしい言い回しが多い保険用語を統一でき、事務処理が楽になったという声もありました。少し違うだけで意味も違ってしまう保険の専門用語を全て覚えてもらうのは、看護師や事務員にとってハードルが高いことですし、仕事量も増えてしまいます。それがない分、多少は仕事が楽にできているようですね。

電子カルテとORCAの整合性という点でいえば、対応するソフトが既にたくさんの人が使っているものばかりなので、あらゆるものに融合しやすいというメリットがあると思います。

データがデジタルで一元管理できることで、私の作業効率も格段に上がっています。

たとえば、診察の際に赤ちゃんの計測を行うのですが、そのために頭のサイズ、お腹周りのサイズ、足の長さといった数値入力を自動で行ってくれるのは非常にありがたいですね。画像ファイリングシステム上のデータをDICOM形式で送信すれば、一発で推定体重が出せるわけですから。手入力だと間違いも起こりやすいですし、患者数が多い時は非常に面倒です。おかげで作業量も減り、仕事が楽になりました。

MRIのデータについても、提携病院で撮ったものであれば、DICOM形式でやり取りを行えば一画面で全て見ることができるのです。これは意図していなかったことなのですが、非常に助かっています。フィルムのやり取りがなくなる分、たくさんの情報がデータでやり取りできるのです。

電子認証(HPKI)をうまく活用しさらなるペーパーレス化を実現させたい

今後は、さらにペーパーレス化を進めていきたいと考えています。

たとえば、他院に患者様を搬送する場合、紹介状を書くところまでは電子カルテ上でできますが、そこから先はどうしても紙でのやり取りになってしまいます。電子認証(HPKI)をうまく活用することで、紹介状などの医療情報のIT化を進められれば、情報のやり取りが簡単になりますし、短時間での病院搬送もしやすくなるはずです。

また、現状では患者様とのやり取りで発生する情報について、「患者様に渡す紙」「自院でストックしておく紙」「他院への搬送があった場合に提出するための紙」の3枚を印刷し、仕分け・管理を行っています。もし電子認証(HPKI)がうまく進められればこの紙が一つにまとまり、一つのデータとしてパソコンに置いておけば良くなります。ただ紙が減るだけでなく、仕分けする手間がなくなるのは、作業上非常に楽ですね。そうした意味でも、電子認証(HPKI)を活用しての医療情報のIT化導入は、今後も積極的に検討していこうと考えています。

ちなみに、IT化で最も怖いのが「停電」と「パソコンの故障」です。

当院では万が一の場合に備えて、ミラーリング用のハードディスクを別に用意し、バックアップをとっています。そして、そのハードディスクを別のパソコンにつなげば、他院でもPDFファイルで患者様のデータが開けるように準備してあります。

パソコンの故障についても、信頼できるベンダーさんが近くにいれば、トラブル時にもすぐに相談できるので安心ですね。



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