幅広い対応力とコスパの良さで開業当初から「FORZ」を導入

約13年前の開業当初から、電子カルテと同時に「FORZ」を導入しています。当時は電子カルテですらそれほど普及していない状況で、導入前は様々な医療展示会やメーカーさんへと足を運びました。そんな中で出会ったのがエクセル・クリエイツ社の「FORZ」。いろいろあるシステムの中で対応力、コストパフォーマンスが非常に優れていました。

当時、私は内視鏡機器を購入したのですが、この内視鏡画像をサーバに入れるため、キャプチャボードが必要でした。ところが、大手メーカーさんのものだと驚くほど高額で。これが本当に必要なのかと。エクセル・クリエイツ社に相談したところ、必要ないですよと別のものを提案してくれました。「医療用」と名がつくだけで価格がグンと跳ね上がるような状況下で、特別なものを使うことなく柔軟に対応でき、コストも抑えられる。これは魅力的でした。

あの頃はエクセル・クリエイツ社は会社を立ち上げたばかり、私も開業準備を整えている時期でお互い、「これはできないか」「あれはできないか」とアイデアを出しながら共同開発のような感じでシステムを練り合ったものです。それをすぐ反映する、企業としての素早い対応も素晴らしいなと感じました。

「FORZ」はドイツ語では「穴」という意味があるのですが、まさにこのシステムは検査データや画像、また当院以外で受けた患者様の検査データなど、穴のように何でも放り込んで保存しておけるので頼もしいです。もちろん、電子カルテとの連携も問題なくできています。

使い勝手がよく、診察の質も向上。情報共有などもスムーズに

当院ではエコー、MRI、CT、内視鏡、眼底、透視検査などほとんどの画像やデータをFORZで管理しています。心電図など紙で出力されるものもスキャンして保存します。どれもクリックひとつで画像が出てくるので簡単ですし、画面もとても見やすいです。一つの画面上に複数の画像が表示できるところも気に入っています。

画面のレイアウトは使いやすいよう、私仕様にいろいろとカスタマイズしてもらいました。このように、個々のこだわりに対応できるのも「FORZ」の大きな特徴だと思いますね。実は大変申し訳ないのですが、当院は受付から診察するまで少々お待たせしてしまいます。なぜなら普通、検査予約、検査、診察と3回通院が必要なところを1回で行うからです。例えばX線撮影が必要な場合は、検査室で撮影後、画像として保存し、その画像を見ながら診察となります。

逆に言うと検査が始まれば非常にスムーズに流れます。結果的に患者様の負担も少ないと思います。また、画像化は、医師、患者様のどちらにとっても利点です。必要な時にさっと呼び出せるほか、印刷して書き込むことも可能。さらに患者様にお渡しもできる。当院では検査結果は患者様の財産として、全てお渡ししています。

自分の状態を知っておくことは大事ですからね。保存用のファイルも差し上げています。診察室以外でも、当院では看護師や技師を含めスタッフ全員が画像やデータを見ることができるようになっています。情報共有ができるので、とても便利です。操作も簡単だから、新しく来られた先生や大学病院から定期的にお手伝いに来てくださる先生なども、一度説明すればすぐに使えるようになりますね。

クリニックだからこそできる、無駄のないスピーディな業務を

当院ではかなり多くの検査を行っています。そのため、検査画像やデータ量はクリニックレベルを超えていて、小・中規模病院並みです。それだけ患者数も多いということなのですが、それをさばくことができるのも「FORZ」のおかげです。いくら私が一生懸命診察しても、従来のやり方では時間がかかりすぎて、診られる患者数も限られてしまいます。

医療もこうしたシステムも、大事なのはスピードとコストパフォーマンス、簡便さだと思います。小さなクリニックは普通にやっていては大病院にはかないませんが、クリニックだからこそできることがあるはずです。それは何か。業務を効率化し、無駄なコストを省いて、簡潔にすること。そうすればその分、多くの患者様をしっかり診療することができます。そのためにもICT化は必要だったと思いますし、最初に「FORZ」に出会えて私は幸せでしたね。今後もカスタマイズしながら、使いこなしていきたいです。技術も治療も日々進歩しています。これからもさまざまなツールを使って、定期的に情報を発信、更新しながら、理想の医療を追求し続けていきたいと思います。